伊藤友一

伊藤友一(いとうともいち:1925~)

系統:木地山系

師匠:古関軍治

弟子:阿部市五郎

〔人物〕大正14年1月27日に生まれる。秋田県川連のワンコ木地師。古関久太郎のエ場で古関軍治に木地技術を習った。こけしは見取り学問。昭和35年ごろより3年間ほどこけしを作った。〈こけしガイド〉で作者として紹介された。その後、しばらく休業していたが、昭和47年にこけし製作を再開した。 昭和60年には阿部市五郎にこけし描彩の指導をした。
平成の後半に亡くなったといわれているが、詳細の没年月日は未調査である。

伊藤友一 昭和41年 撮影:露木昶

〔作品〕昭和30年代には手が決まらぬうちに転業したため、試作の段階のものが多い。したが
って、各種のこけしがある。〈こけしガイド〉の改訂版に掲載紹介されたものなどはとぼけた味があり、むしろ面白い作であった。
木地山系の先人工人の諸作を参考にしながら、それぞれの様式を組み合わせて、こけしを作った。

下掲2本は昭和35年に休業する以前に作ったもの。


〔右より 25.1cm、21.2cm(昭和34年頃)(沼倉孝彦)〕

下掲は昭和47年にこけし製作を再開したすぐ後の作品。


〔 21.5cm(昭和48年)(高井佐寿)〕

下掲の右端は平成17年7月に友一の工房で入手したもの、ただしこの時は製作から既に数年たっていて、木屑に埋もれていたものを入手したという。


〔右より 21.2sm、21.2cm(平成10年代前半)(沼倉孝彦)〕

下掲は友一晩年の作。


〔15.2cm(平成20年代)(沼倉孝彦)〕

〔伝統〕木地山系。
元来、横木専門の工人であり、木地の技術はしっかりしていたが、こけしは見取りであるため、自分の型を完成定着するというよりは、その時期の川連の様式を自分なりに工夫を加えて製作していたように見える。

〔参考〕

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