太田孝淳

太田孝淳(おおたこうじゅん:1939~)

系統:土湯系

師匠:篠木利夫

弟子:

〔人物〕昭和14年1月27日、福島県福島市小田字位作山のの曹洞宗陽林寺の僧太田騰雲の二男に生まれる。陽林寺は永正13年(1513年)の開基で伊達公の庇護を受けた由緒ある寺。二階建ての山門が有名であり、また寺所有の伊達家文書は福島県指定重要文化財になっている。
曹洞宗の寺院の出であったため駒澤大学に進学し、卒業後は長く高校の歴史教師を務めた。
教師時代にスキー合宿引率教員の事前研修で信夫高湯温泉に行ったが、そのおり篠木利夫と面識が出来た。また篠木利夫は孝淳の自宅近くの福島市大森に食堂を出していたことがあり、その食堂の裏に設置してあったロクロでこけしなどを作っていた。孝淳はしばしばそこに遊びに行ってこけしの製作に興味を持った。そうした背景もあり、平成15年63歳のときこけし製作を志して木地の練習を開始し、平成18年には篠木利夫に弟子入りして正式に修業を始めた。
土湯の古作のこけしに心をひかれ、その魅力の再現に努めようとこけし製作に取り組んでいる。
令和元年の全国こけし祭りにおいて、審査員奨励賞を受賞した。


太田孝淳 平成29年 撮影:佐藤 健兒朗


由吉古作を手にした太田孝淳 平成31年1月27日 傘寿の誕生日

〔作品〕下掲は初期の作。師匠の篠木利夫を継承するのではなく、古い土湯のこけしの味わいを追求しながら自ら工夫して製作している。


〔20.4cm(平成16年)(高井佐寿)

技巧に走らず、蝋引きもせず、自分が追求する味わいの具現化に取り組んでいる。


〔 17.6cm(平成29年)(橋本正明)〕

下掲二本は、招待工人として東京こけし友の会新年例会に参加したときに頒布された作品。
赤にはサンレッドという染料を用い、華やかな色調を追求している。


〔右より 20.0cm、19.6cm(平成31年)(橋本正明)〕

〔伝統〕土湯系

 

〔参考〕

[`evernote` not found]