海谷七三郎

海谷七三郎(かいやしちさぶろう:1890~1935)

系統:遠刈田系

師匠:佐藤久吉

弟子:

〔人物〕明治23年3月25日、山形県東村山郡高瀬村大字下東山、海谷七右衛門、き江の四男に生まれる。長兄周蔵、次兄善蔵とともに青根佐藤久吉について木地を学んだが、明治38年16歳のときに師久吉が没したので、久吉長男久助、善蔵に指導をうけた。大正10年ころより中ノ沢で木地を開業、佐藤文六(長袋出身)もこの工場で働いた。中ノ沢時代の弟子には磯谷直行がいる。その後、福島県耶麻郡吾妻村大字若宮字高森山田へ転居し、昭和10年7月8日高森にて没した。行年四六歳。〈鴻・7〉では七三郎はこけしを作らなかったというが、おそらく遠刈田系吉郎平系列久吉家の流れを汲むこけしを相当数作った思われる。磯谷直行の鋭角的筆致は七三郎譲りのものであろう。

〔作品〕七三郎の作品は確認されていない。下掲左端は七三郎の師佐藤久助かと言われる青根古作であり、右端は佐藤菊治による復元である。
この作風は七三郎の中ノ沢時代の弟子磯谷直行にも通じる。七三郎のこけしもおそらくこれに近いと思われる。


左 19.8cm 青根古作(川上克剛旧蔵) 
右 20.4cm(昭和41年)(橋本正明) 佐藤菊治による復元

〔伝統〕遠刈田系遠刈田系吉郎平系列久吉家

 

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