早坂利成

早坂利成(はやさかとしなり:1960~)

系統:鳴子系

師匠:早坂隆/せつ子

弟子:

〔人物〕 昭和35年7月27日宮城県鳴子町木地業早坂隆・せつ子の長男に生まれる。早坂の家は、高祖父民治(みんじ)、曽祖父早坂繁蔵、祖父民治(たみじ)と代々続く加美郡田代の横木挽き木地師の家柄である。俊成は昭和54年20歳の時から父隆について木地を修業。母せつ子もこけしの描彩をするので、両親のこけしに影響を受けつつ自分のこけしを完成させた。

早坂俊成:平成25年9月 こけし祭り会場足踏み実演
早坂俊成:平成25年9月 こけし祭り会場足踏み実演

平成26年7月6日 巣鴨高岩寺にて足踏みロクロの実演
平成26年7月6日 巣鴨高岩寺にて足踏みロクロの実演

〔作品〕 作り始めの頃は、両親の作風を忠実に受け継いだ鳴子の一般的な型であった。

〔24.0cm(平成10年)(高井佐寿)〕
〔24.0cm(平成10年)(高井佐寿)〕

鳴子こけし祭りの会場、東京巣鴨高岩寺実演展示会場などで足踏みロクロを使って実演をすることがあるが、そのようなときには下掲写真のように古風で古鳴子風の情趣をたたえたものを意識的に作っている。

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〔右より 19.3cm(平成25年9月)、17.4cm(平成26年7月)(橋本正明)〕足踏みロクロ作

平成26年の全国こけし祭りで企画された「創生期鳴子こけし 」(高橋五郎蔵)の復元は何人かの工人により競作されたが、早坂利成もその企画に参加し、古風かつ清々しいこけしを完成させた。下に掲げる作品は、同年11月巣鴨高岩寺の実演上京時に製作したもの。

〔25.4cm(平成26年11月)(橋本正明)〕
〔25.4cm(平成26年11月)(橋本正明)〕 「創生期鳴子こけし 」の復元

この「創生期鳴子こけし 」の復元をもとに、さらに自分なりに様式を発展させた型で平成29年の全国こけし祭りでは最高賞を受賞した。

またクリスマスツリー(重ね独楽)や、招き猫マトリョーシカ、福車など創意にあふれた木地玩具を作ることでも知られる。

〔伝統〕 鳴子系共通型。木地は岡崎才吉-早坂隆-早坂利成と続く系譜。
ただし創生期鳴子こけし は系列に分化する以前の鳴子古型。

〔参考〕 こけしのなかのわたし 横浜人形の家「鳴子こけし祭り」

 

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