岩手県花巻市の郷玩文具店主。地方の博覧会などにイミテーションのこけしなどを発表したので一時こけし作者と誤伝された。そのこけしは花巻の無名の木地師に作らせ、金子庫三名義で出品したものであるが、その木地師が明確でないので本来のキナキナ作者か模作者かはっきりしない。藤原政五郎風のものなどは模作であろう。
東京こけし會〈こけし作者一覧番付〉（昭和12年8月）や〈東北の玩具〉（昭和13年1月）のこけし作者一覧などに掲載されたので、こけし作者として扱われた時期がある。いわゆる作者でないことは〈木形子談叢〉により明らかにされた。庫三は戦後間もなく没したと言われるが詳細は不明である。