佐藤俊昭

佐藤俊昭(さとうとしあき:1930~2009)

系統:土湯系

師匠:佐藤佐志馬

弟子:

〔人物〕昭和5年8月22日、福島県土湯温泉の下駄製造業・豆腐業佐藤茂吉、ナミの次男に生まれた。茂吉の父は佐藤茂作で、加藤屋佐藤嘉吉の兄にあたる。母のナミは加藤屋佐藤嘉吉の長女である。
昭和18年3月土湯尋常高等小学校を卒業後、長らく父の家業を手伝った。戦後は土湯温泉町堤ケ平三八を開拓して農業に従事、また日傭労務者としても働いた。
昭和35年2月より38年2月まで、佐藤佐志馬につき木地を修業し、その後直ちに独立開業した。昭和32年に結婚、34年、38年に二男が生まれた。その後は農業より木地業のほうに重点をおいて、こけし製作を続けた。正式な師弟関係ではないが、付き合いのあった小野喜義にこけしの描彩を教えたことがあった。
平成21年9月12日没、行年80歳。

佐藤俊昭  撮影:坂入良喜

〔作品〕昭和35年修業時代の作は、頭小さく胴は太目で中央に黒帯、他は赤ロクロのみの佐志馬風の模様を描いていた。表情はおぼこく可憐である。
独立後は格段に木地挽き丁寧となり、目大きく画鬢長目となった。表情大らかで嫌味がなかった。昭和40年代後半になると、胴細く頭大きくバランスよくなり、眉間も狭く表情に品格も出てきた。カセは太治郎型と似て最も簡単なほうに属する。
平成に入ると表情は師匠の佐志馬に近くなり、やや癖のある筆法となった。


〔33.2cm(平成11年)(高井佐寿)〕

〔伝統〕土湯系。基本的には佐志馬が完成させた様式を継承していた。

 

〔参考〕

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