鈴木征一(すずきせいいち:1944~)
系統:肘折系
師匠:奥山庫治
弟子:
〔人物〕 昭和19年11月17日、東京都品川区の会社員鈴木慶次郎の長男として生まれる。 当時父慶次郎は東京芝浦製作所勤務していたが、征一が5歳の時肘折へ帰郷した。慶次郎の父慶太は肘折の横山工場で材料関係の仕事をし、また盆の荒挽きなども行っていた。慶次郎は、肘折へ戻ると農業の傍ら民芸店肘折物産を経営した。征一は大蔵村立肘折中学校を卒業後、農業及び日雇いの労働者として働いていたが、昭和47年5月、奥山庫治について木地を修業、5年間木地下を挽いて、昭和52年5月に独立した。工場を小中学校前の車庫に開設した。
描彩して自分のこけしを世に出したのは昭和53年頃からである〈山形のこけし〉。
令和元年の白石の全国こけしコンクールで最高賞を受賞した。
現在肘折温泉(山形県最上郡大蔵村)でこけしを製作する唯一の作者となっている。
〔作品〕 肘折系に多いガラ入り(頭をくり抜いて乾燥させ、小豆などを入れる。振るとマラカスのように音が鳴る)のこけしをよく製作する。奥山運七・喜代治型の他、縁戚(娘の嫁ぎ先)にあたる斎藤伊之助の型を平成16年より、最近では高橋五郎発見の伝柿崎藤五郎古作の復元も行っている。
福車、大砲等の玩具も製作する。
〔右より 11.0cm、24.5cm(平成10年)(橋本正明)〕 運七型
〔 15.3cm(平成30年6月)(橋本正明)〕 斎藤伊之助型
〔伝統〕
肘折系運七系列
奥山運七-喜代治-庫治-鈴木征一