大沼美咲

大沼美咲(おおぬまみさき:1990~)

系統:鳴子系

師匠:大沼秀顕

弟子:

〔人物〕大沼美咲は平成2年4月27日に秀顯、光子の三姉妹の次女として生まれた。岩太郎、浅吉(せい入婿)、竹雄、秀雄、秀顯、美咲と続く六代目の家系である。三姉妹は幼少の頃から父と祖父の工房で遊び絵付けを楽しんでいた。 東北福祉大学健康科学部卒業後、医療技術者の作業療法士として働いている。 代々、鳴子温泉で続いてきた家業を絶やしてはならないと云う思いから、平成30年より休日を利用して少しずつ木を削り出した。令和2年からは、小寸物を大沼秀顯の店舗に置き僅かに販売している。  
現時点(令和6年)では、嵌め込みは時期尚早と云う事でひたすら木地を削る作業に専心している。木地業へ思い入れが深く、美咲描彩のこけしは出来る限り自挽きしている。描彩は頗る上手である。
大阪こけし教室第394回例会(令和5年9月)と同395回例会(令和5年11月)で特別頒布され、〈こけし山河・324〉(令和6年1月)で「新人紹介 大沼美咲」として紹介されている。〈こけし手帖・759〉(令和6年4月)に2月例会頒布こけしとして写真と簡単な経歴が紹介された。6月の伊勢こけし会でも定期頒布された。責任ある仕事をしているので、現時点では性急な注文に応じることは難しい。岩太郎系列の直系の伝承者としてその成長をゆっくり見守っていくことが大切であろう。

木地を挽く大沼美咲

  〔作品〕 

美咲の作品(中根巌蔵)

上の写真の作品は向かって右より、令和5年6月作13.2㎝、2本目9月大阪こけし教室頒布品13.3㎝、3本目11月大阪こけし教室頒布品13.2㎝、4本目から6本目は令和6年4月作の12.6㎝、7.2㎝、6.2㎝である。模様はレパートリーが広く、見て楽しい。基本的には瑞々しい本人の顔を描くが右から3本目のような大沼家の顔を意識して描くこともある。
「温顔静姿」の佇まいの美咲のこけしは、あたかも平和の象徴のような表情をしている。

〔伝統〕鳴子系岩太郎系列 

[`evernote` not found]