高橋純逸(たかはしじゅんいつ:生年不明~)
系統:南部系
師匠:
弟子:
〔人物〕鳴子出身の木地師という。大正5、6年ころ秋保で飯坂の佐藤菊蔵とともに働いたことがある。その後、岩手県藤根村に移りこけしも作ったらしい。
三重の伊藤蝠堂が昭和15年5月5日に開催した第8回於茂千也祭記念において出された〈こけし作家名簿〉四光会編に名前が載っている。川口貫一郎旧蔵の藤根こけしには花巻名産のゴム印があり、五寸の小寸物で鉛こけしの形態、胴の中央がくびれて上下三段に細い赤ロクロ線を描いている。頭は真中に墨にてマンジュ形に描くだけ、
両鬢は二本の長い一筆描きのもの、面相は新山久治に似ているという。おそらく、長寿庵の企画、要請になるもので、藤原政五郎の型が見本になっていると思われる。
〈こけし手帖・91〉の藤原政五郎型(西田峯吉氏蔵)も藤根の作かもしれない。〈こけしの微笑〉のこけし作者一覧表にも紹介されている。
その後、大連市初音町325大石アパート2-2へ転居したといわれる。
詳細の経歴は不明。
〔作品〕下掲は久松保夫旧蔵の所謂高橋純逸で、〈こけし辞典〉においても高橋純逸の項目に掲載された。
下掲は〈こけし手帖・91〉に作者不明として掲載された。
同様の作は橘文策の〈こけしざんまい〉p.104の「花巻町内で見つけたこけしのいろいろ」という写真の中にも見られる。
〔伝統〕南部系 藤原政五郎をもとにした一般型
〔参考〕