渡辺義衛

渡辺義衛(わたなべよしえ:1934~2014)

系統:土湯系

師匠:今泉源治(見取り)

弟子:

〔人物〕昭和9年3月12日、福島県土湯温泉上ノ町の山仕事、製炭業渡辺伝次郎、ハツの八人兄弟の四男に生まれた。福島営林署の委託を受けて林業に従事した。この仕事の関係上、特殊材等にはこけし工人からの需要もあり、徳永慎一、渡辺鉄男渡辺恒彦等との取引も生じるようになった。因みに徳永慎一とは学校時代に同級生であった。
義衛の山仕事は冬場には入山できず、時間があったので自家にロクロを据え木地を挽くようになった。家の向かいが今泉源治であったので源治の指導を受けることもあった。当時需要が旺盛であったこけしも見取りで作るようになったが、手本は今泉源治や渡辺和夫であったと思われる。
面描については妻女から、卵で練習したらどうかと言われ練習していたという。昭和50年頃から56年頃まで製作した。 製作はこの期間のみと思われる。
平成26年6月21日没、行年81歳。

〔作品〕昭和50年代のこけし需要が旺盛であった時期に、需要にこたえて製作した。特定の型の形象ではなく土湯の一般的な型の製作であったが、伝統的な土湯の様式は押さえた作品であった。


〔右より 24.5cm、23.9cm、33.9cm、20.1cm、21.1cm(昭和50~54年頃)(中根巌)〕

下掲は今泉源治の浅之助型を手本としたものと思われる。


〔18.2cm(昭和55年2月)(中根巌)〕

〔伝統〕土湯系一般型

〔参考〕

  • 中根巌:渡邊義衛さんのこけし〈木でこ・211〉(平成28年5月)
  • 中根巌:珍しいこけし(二)〈伊勢こけし会だより・163〉(令和2年6月)
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