五十嵐友里

五十嵐友里(いがらしゆり:1981~)

系統:木地山系

師匠:井上周治

弟子:

〔人物〕 昭和56年5月30日に井上四男(よつお)、令子の二人兄弟の長女として、湯沢市三梨村下宿に生まれた。祖父母の周治、ミヨとは同居して育った。平成11年3月に秋田県立湯沢北高等学校を卒業後(閉校・統合で現在は秋田県立湯沢翔高等学校)地元企業に勤めた。
こけしは平成16年頃から周治の木地に描彩を始めて、井上名兵エと井上周治の名前で販売された。社会人として働いている時期で忙しく、描彩に興味無かったが、祖父の願いなので少数描いた。
兄の結婚式が平成18年3月5日にあったが、引出物として小寸こけしを300本程描いた。
友里は平成19年5月に結婚して五十嵐姓となった。秋田こけし会の平成19年6月2日例会で、こけしの会での初めて頒布が行われた。木地は祖父の周治である。そのこけし写真は〈秋田こけし通信・No.185〉3頁に掲載された。名古屋こけし会の〈木でこ・187号〉(平成19年7月8日発行)では、矢田正生により新作者として紹介された。胴背に友里と署名された本人名義のこけしは、平成19年の6月頃から9月頃まで短期間の販売だったので、作品数は少ない。
令和4年2月に15年振りに10本のこけしを描いた。その中には周治の師匠である小椋正吾が描いた小椋石蔵型も見られた。今後の描彩も目途は立たない。

〔作品〕友里の描くこけしは、眼点非常に大きい一側目で、奔放な胴模様が面白い。

下掲写真中央の沼倉蔵・平成19年の周治型は秋田こけし会6月例会で頒布したものと同型。

〔右より 12cm(平成18年2月11日初作)、18.3cm(平成19年6月)、18.6cm(平成25年)(沼倉孝彦蔵)〕
〔右より 12cm(平成18年2月11日初作)、18.3cm(平成19年6月)、18.6cm(平成25年)(沼倉孝彦蔵)〕


〔右より 18.2㎝(平成19年6月)名兵エ型・松竹梅、18.2cm(平成19年7月)名兵エ型・前垂れ菊模様、18.2㎝(平成19年7月)名兵エ型・菊模様、21.3㎝(平成19年9月)樋渡治一型、21.3㎝(平成19年9月)小椋泰一郎型(中根巌)〕

下掲は友里が周治白寿(99歳)の祝いに実家に戻った際に描かれたもの。


〔全て(21.3㎝)(令和4年2月作)右より 井上名兵エ最初期型一側目、同・二側目、小椋石蔵型・赤帯、小椋石蔵型・団扇(中根巌)〕木地は本間功による。

〔伝統〕  木地山系一般型。

〔参考〕

  • 矢田正生:新作者紹介 五十嵐友里〈木でこ・187〉(平成19年7月)
  • 中根巌:五十嵐友里(ゆり)のこと〈伊勢こけし会だより・168〉(令和4年3月)
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