青点

① 遠刈田新地の工人用語。こけしの頭頂部の前髪の後方、赤い放射状のてがらの中心部に描かれる青い点状の部分をいう。橘文策氏が紹介した佐藤松之進の〈木地人形記〉に、こけし描彩の年代的変遷が示されている〈こけし手帖・37〉〈こけしざんまい〉。それによると、明治40年以降には青点が用いられているが、万延年間より描いていたという松之進第7号(明治18年ごろの作)の頭部には青点が確かめられない。とすれば足踏みロクロが伝わって、各種描彩の開発が進んだ以後のものかもしれない。肘折系や蔵王高揚系でも用いられ、花巻の照井音治も用いたが、必ずしも遠刈田系等の全工人が用いるとは限らない。

遠刈田 佐藤直助の青点

遠刈田 佐藤直助の青点

② 遠刈田、弥治郎、蔵王高湯の重ね菊や桜崩しの中心に打つ青い点を、蒐集家が青点と呼ぶことがある。

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