岸正規

岸正規(きしまさのり:1931~2010)

系統:鳴子系

師匠:岸正男

弟子:岸正章

〔人物〕 昭和6年3月6日鳴子岸正男・さだよの長男に生まれる。昭和25年古川工業を卒業後、4月1日より父正男について木地の修業を開始、、こけしの木地は修業当初より挽いていた。昭和38年頃より正式に描彩も始めて、正規名義でこけしを自宅の店に並べるようになった。〈こけし手帖・76〉で作者として紹介され、こけしの写真も掲載された。
平成21年、体調を崩して入院手術の後、平成21年のこけし祭りでは会場に姿を現して、ファンをほっとさせたが、翌平成22年3月5日数え年80歳で没した。後継者としては長男正章がいるが、現在他で勤務についているためこけし製作は中断している。

岸正規 平成21年9月こけし祭り会場にて
岸正規 平成21年9月こけし祭り会場にて

〔作品〕 父正男のこけしを継承しているが、描彩は素直で鳴子の良さを十分に発揮した作風を示した。父正男の戦前作の復元を行ったが、よくその雰囲気を再現していた。昭和56年頃から、勧められて庸吉型も作った。庸吉型は現物に忠実で蝋引きもせず、古風な味をよく出していた。
正規のこけしの各年代のこけしは、〈伊勢こけし会だより・133号〉に詳しく紹介されている。

〈伊勢こけし会だより・133号〉
〔右より 21.2cm(昭和53年3月)、24.2cm(昭和53年9月)、24.0cm(昭和54年9月)、19.6cm(昭和57年11月)(〈伊勢こけし会だより・133号〉より)〕いずれも正男型

〔26.5cm(昭和55年)(橋本正明)〕
〔26.5cm(昭和55年)(橋本正明)〕


〔21.3cm、19.5cm(平成8年)(橋本正明)〕 庸吉型二種
 

〔伝統〕 鳴子系金太郎系列。ただし庸吉型は幸八系列の作風である。

〔参考〕 こけし千夜一夜 第279夜 正規さんの庸吉写し

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