佐藤きく(さとうきく:1911~2000)
系統:肘折系
師匠:佐藤巳之助
弟子:
〔人物〕 明治44年4月12日、山形県最上郡大蔵村清水に生まれる。昭和7年に仙台に出ていた佐藤巳之助と結婚がきまり、翌8年5月仙台に来て所帯を持った。昭和10年には長男昭一が誕生した。
昭和20年戦災に遭い、一家で国分町に移って工房を再建した。昭和33年に長男昭一が大学を卒業し、家業を手伝うようになった。
きくは昭和45年頃より夫の巳之助からの見取りで木地も挽くようになり、昭和48年頃からこけしの製作も始めた。当初は作り付けの小寸が主体であったが、だんだんに大きいものも挽くようになった。昭和52年に巳之助と死別したが、巳之助の製作を継承して製作を続け、昭和60年鳴子の第31回全国こけし祭りでは文部大臣賞を受賞した。
平成12年7月13日没、行年90歳。
〔作品〕 60歳近くになってから始めたこけし製作であったが、稚拙なところはなく完成された多様な周助型を作った。周助型への挑戦は、得てして特異な表情を異様に強調しがちであるが、きくの作品は力のはいり過ぎない自然体の作品だった。
〔右より 15.6cm(昭和58年)、23.7cm(平成2年)(橋本正明)〕
〔18.0cm(昭和63年)(武田利一)〕東京こけし友の会35周年記念頒布
〔伝統〕 肘折系
〔参考〕