井上はる美

井上はる美(いのうえはるみ:1955~)

系統:弥治郎系

師匠:井上ゆき子

弟子:

〔人物〕昭和30年3月1日、福島県耶麻郡西会津町の木地業井上四郎、ゆき子の長女に生まれた。昭和34年に一家は喜多方市大道田に移り、両親は新型こけしの製作に従事した。昭和44年秋に両親は熱塩の佐藤春二に弟子入りし、伝統のこけしを製作するようになった。
昭和46年12月に一家は耶麻郡塩川町新江木に移住し、父四郎が木地を挽き、母ゆき子が描彩したこけしの製作が続けられた。昭和56年に父の四郎が亡くなり、また昭和57年には両親の師匠春二も亡くなって、母一人が春二型の作者となった。そのため井上はる美も春二型の継承を使命と感じて、翌58年3月から木地の技術を学び、こけし作るようになった。母ゆき子からは厳格な木地の指導を受けたという。はる美名義の作品は昭和59年初めより発表されるようになった。母ゆき子は平成22年に亡くなり、はる美が母の志をまもって春二型の製作を続けている。


井上はる美 弥治郎初挽式 撮影:佐藤健兒朗


井上はる美 平成23年10月 撮影:山藤輝之

〔作品〕佐藤春二のこけしの後継者として、春二型のこけしを一貫して製作している。


〔右より 25.7cm(昭和63年)、30.3cm(平成11年)(高井佐寿)〕

下掲は春二が木地を学んだ佐藤茂吉のこけしを偲んで作った型をはる美が継承したもの。


〔36.4cm(平成13年)(高井佐寿)〕

春二が作ったいかにも子供の玩具らしい遊び心の溢れる小品も作る。
作者名の署名に「春未」とする場合もある。

〔伝統〕弥治郎系幸太系列

〔参考〕

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