こけし夢名会

菊本栄次、鹿間時夫、白鳥正明、橋本正明、箕輪新一を同人として運営し、昭和43年9月発足したこけし頒布会。ほぼ半年間頒布、その後自然休会となった。
「近来こけし界の一部でこけしの伝統論に束縛され、一部有名工人の定型化されたマンネリ的作品のみを取り上げ、新人の台頭をおさえる傾向があるやに見られ、若手収集家の不満が相当ある風潮にかんがみ、新工人の迫力に富んだ作、問題作、いわゆる復元作、いわゆる無名工人作、いわゆる第三こけし等を頒布して今後の勉強の資料と致したいために、こけし夢名会を発足させました。あくまで工人と蒐集家は夢と理想を求め、無名に生き、フレッシュな感激にひたるのこそ趣味道と思います。こけし趣味があくまでも蒐集を軸とする以上、蒐集家の深層心理を尊重し、なるべく珍しい物で市販されぬもの、初作の迫力あるもの、うぶい作、げ手な味のあるもの等を極力頒布することとします」と熱い思いが鹿間時夫の執筆した頒布清規にある。
文吉の伊之助型、渡辺定已の佐久間米吉型、由吉型、小林定雄の小林英一型と高橋市太郎型、嶋津誠一の彦三郎型、柿崎文雄の岩本善吉型と氏家亥一型、井上四郎の佐藤栄治型等を頒布した。頒布こけしの胴底には丸に夢の朱印がある。また頒布とともに〈夢名会だより〉を発行した。第一号より第六号まで出ている。代表者は鹿間時夫。

mumeikai

〈夢名会だより〉

昭和44年に自然休会となったのは、この時期から同人の殆どが〈こけし辞典〉の執筆に専念することになったためである。

 

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