松田真澄(まつだますみ:1959~)
系統:鳴子系
師匠:松田忠雄
弟子:
〔人物〕 昭和34年8月19日、宮城県古川市の農業野田勇夫、かほるの長女に生まれる。昭和53年古川学園高等学校を卒業。昭和57年鳴子のこけし工人松田忠雄と結婚、平成4年ころから、夫忠雄の指導を受けてこけしの製作を始めた。平成8年ころには上鳴子の工房に加えて、実家のある古川市にも松田工房を開設して約15年ほど営業したが、平成23年東日本大震災のあと閉止した。以後は上鳴子で一家でこけし製作を行なっている。
平成29年より長男大弘もこけしの製作を始めた。
〔作品〕 夫松田忠雄の祖父松田初見の型を中心に製作している。
下掲は松田初見の師匠高野幸八を写した型。古風な気品を再現できている。
下掲は、鹿間時夫旧蔵の晩期の鈴木庸吉の復元。ただ特定の原物というよりは滑津時代の庸吉を総合的に真澄の作として再現したように見える。この真澄の面描は、運筆がスムースであって切れもあり、それでいて晩年の庸吉のやや神秘的な表情をも感覚的に再現できている。実に魅力的な作品に仕上っている。木地は息子の大弘である。
〔伝統〕 鳴子系幸八系列
〔参考〕
- 中根巌:鈴木庸吉のこけしあれこれ〈伊勢こけし会だより・165〉(令和3年3月)
こけしの松田工房/宮城県鳴子温泉