渡辺幸典(わたなべゆきのり:1950~)
系統:土湯系
師匠:渡辺喜平
弟子:渡辺聡
〔人物〕 昭和25年2月27日、福島県飯坂町の木地業渡辺喜平の長男に生まれる。渡辺の戸籍上の表記は「渡邉」。父喜平は土湯の渡辺久吉の二男で、久吉の弟角治の養子となった人。したがって鯖湖こけしの作者として昭和初期に名声をはせた渡辺角治・キンは戸籍上の祖父母にあたる。
幸典の弟に義徳がおり、義徳が先にこけしを作り始めたが、短期間で休止した。
幸典は、福島県立郡山北工業高校の教師を務めていたが、その傍ら昭和50年8月26歳より父喜平について木地の修業を始めた。幸典名義のこけしは昭和53年から製作して店に出すようになった。
〔作品〕 初期は父渡辺喜平の戦後の型を継承したこけしを作っていた。面描やや神経質で、胴模様も機械的・図案的に描いていた。 その後、祖母キンの描いた古型を研究するようになり、鯖湖の伝統的なこけしの復活に勤めた。 最近の作は、形態描彩ともによく鯖湖こけしの雰囲気を再現出来ており、鯖湖三代目にふさわしいこけしが作られるようになっている。
〔21.2cm(平成20年)(〈木でこ・190〉より)〕 名古屋こけし会頒布品
〔系統〕土湯系鯖湖亜系 幸典の二男聡もこけしを作り始めた。
〔参考〕