佐藤幸治

佐藤幸治(さとうこうじ:1903~1973)

系統:独立系

師匠:佐藤賢治

弟子:佐藤賢一

〔人物〕明治36年9月1日、仙台の著名な尺八製作者相澤藤右衛門の次男として仙台市肴町二丁目に生まれた。その後、仙台のもっとも古い木地師の家の佐藤賢治の養子となった。昭和15年前後に賢治作として出ているこけしにぱ幸治の木地が多い。昭和23年ころより長男賢一と共に仙台市泉町佐藤第蔵方で職人として働いた。昭和29年8月独立して、仙台市東七番丁で木地業を始めた。昭和38年8月、右手を負傷、木地を挽くことができなくなり、その後は長男賢一が業を継承した。
昭和48年2月28日没、行年71歳。

〔作品〕確実に幸治木地、幸治描彩というこけしが存在するのか明確ではない。養父佐藤賢治のこけしについても描彩者は複数いる。賢治作として初期に紹介されたものは賢治木地に幸治の姪の相澤美代子が描彩したものであった。元来絵が好きな美代子は、昭和11~12年代から賢治や幸治の木地に描彩をするようになった。しかし美代子は結婚して昭和14年秋に東京に出たので、以後は描彩を行っていない。
昭和15年以降の幸治や賢治のこけしは、瞳大きく美代子とは筆致が異なり、別の女性描彩者の手になるものと思われる。
下掲は佐藤幸治名義であるが、面描は同時期の佐藤賢治名義のものとあまり差がない。同じ描彩者を使っていたのかもしれない。


〔30.3cm(昭和17年頃)(高井佐寿旧蔵)〕

 〔伝統〕仙台一般型

 

〔参考〕

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