疋田重安(ひきたしげやす:生年不明~)
系統:鳴子系
師匠:岡崎斉
弟子:
宮城県玉造郡鳴子の岡崎斉の弟子。深沢要により〈こけしの追求〉で名前が紹介された。昭和8年春、14歳ころ高等小学校1年を終えて、斉の弟子に入った。父は鉱夫で、兄弟はたくさんいた。重安は腕はきわめて上手だったという。弟の重信も、斉の家にきてここから小学校5、6年をかよった。その後、木地も習った。重安、重信兄弟は木地挽きが好きで、一生この仕事をつづけるつもりでいたが、父が無理やり兄弟をつれて昭和12年北海道へ渡り、その後人夫などをしているという。北海道へ行くときは、嫌がってロクロにすがって泣いていたという。斉司が初めて描いたこけしは重安が15歳のとき挽いた木地であった。重安・重信兄弟のこけしは未確認である。