大沼要(おおぬまかなめ:1888~1934)
系統:鳴子系
師匠:大沼岩太郎
弟子:
鳴子のこけし工人大沼新兵衛は通称を要という。新兵衛の長兄は戸籍名を要、通称を誠という。兄の方の要(誠)は大沼平三郎、そめの長男で、明治13年1月25日鳴子に生まれた。大沼岩太郎について木地を修業した。昭和9年12月26日行年55歳で鳴子で没した。こけし作者かどうかは不朋である。弟新兵衛は父平三郎と兄要について修業した。18歳の時、肘折に行って佐藤文六のもとで徴兵検査のころまで働いた。後年、大沼新兵衛は肘折時代の作を思いだして鳴子で作ったこけし(思い出こけし)を、本型と区別するため要名義で世に出した。面描は〈こけし這子の話〉時代の鈴木幸之助を彷彿とさせる。
〔15.5cm(昭和30年頃)(鈴木康郎)〕新兵衛作「思い出こけし」
また。新兵衛の長女君子も、この思い出こけしの型を作ることがあった。