阿子島文夫

阿子島文夫(あこじまふみお:1928~)

系統:遠刈田系

師匠:佐藤三蔵/阿子島孫一/大宮徹

弟子:

〔人物〕昭和3年5月5日、宮城県蔵王温泉のこけし工人阿子島孫一の次男に生まれた。父の孫一は遠刈田の佐藤吉郎平について木地を修業した工人、一時東京に出たが昭和24年に遠刈田に戻り木地を再開したので、文夫はこの年より父孫一について木地の修業を始めた。また昭和27年からは大宮徹からも木地を習った。この当時は専ら新型こけしの製作を行った。昭和46年、新型より伝統こけしの需要が盛んになったので、遠刈田の佐藤三蔵に師事し、伝統こけしの製作を行うようになった。
姓の「あこじま」を安子島、阿古島とした文献や記述もあるが阿子島が正しい。


阿子島文夫 2010年11月 みやぎ蔵王こけし館 撮影:山野晴雄 

〔作品〕佐藤三蔵は、本人型と佐藤豊治型を作っていたが、阿子島文夫は三蔵の本人型の継承のみを許されたので、その様式に従ったこけし製作を行った。新型の経歴は長かったが、伝統の型を作るようになって決して甘美な表情に堕することなく、遠刈田本来の張りのある表情を完成させた。


〔 21.1cm(昭和51年)(ひやね)〕

 〔伝統〕遠刈田系周治郎系列
父の孫一は佐藤吉郎平の弟子であるから文夫の木地の系列も吉郎平系列であるが、こけしは遠刈田の佐藤三蔵に習い、三蔵の本人型を継承したので、文夫のこけしは周治郎系列になる。

 

〔参考〕

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