安藤勇(あんどういさむ:1934~1988)
系統:肘折系
師匠:描彩は佐藤丑蔵
弟子:安藤勇亀
〔人物〕 昭和9年3月7日、白石市越河の船員安藤勇一の長男に生まれる。学校卒業後、白石にて新型こけしの業者について技術を習得、新型木地の製作を行った。昭和26年より遠刈田の大沼昇治とともに、越河に木工所を設立し、二段ベットの脚などの製作に従事した。昭和32年より、遠刈田の佐藤丑蔵に入門して、こけしの描彩を学び、白石市越河五賀字石原の木工所を続けながら、丑蔵譲りの旧型こけしの製作を行った。
昭和58年より長男の勇亀が弟子となって木地の修業を始めた。
昭和63年10月10日没、行年55歳。
〔作品〕 作品は主に佐藤丑蔵の晩年の作品を継承したもの。
依頼により、佐藤丑蔵湯田時代、昭和初期の作を復元したことがある。
この元となったこけしは、天江富弥コレクションにあって、通称フランケンと呼ばれた作品であるが、安藤勇の復元は、その怪異な風貌を見事に再現した快作であった。
下掲の復元作を見ると、安藤勇は木地・描彩ともに本来極めて腕の立つ工人であったことが分る。
〔右より 25.5cm、25.4cm(昭和62年8月)(高橋五郎)〕 天江富弥コレクションの丑蔵復元
〔系統〕 肘折系文六系列