新山実(にいやまみのる:1956~)
系統:弥治郎系
師匠:新山学/広井道顕
弟子:
〔人物〕 昭和31年3月20日、弥治郎新山学の長男に生まれる。昭和46年頃からロクロに上がっていたが、昭和49年4月高校を卒業してから、父学について正式に木地の修業を始めた。曾祖父の栄五郎型を継承している。その後広井道顕について江戸独楽を習得。独楽をはじめ各種木地玩具を作ることによって、自分の作風をさらに発展させている。
〔作品〕 昭和49年19才の初作は、素直で稚拙な面白さのある作だった。その後各種の栄五郎型を作っているが、安定した作風の堅実なこけしである。
下掲写真は、平成25年度の鳴子の全国こけし祭で最高賞をとった栄五郎型。審査講評では「赤い鹿の子絞りの手絡が美しく、豊かな綛が長く流れて、可憐なあどけない表情を飾る。しかもその面描は栄五郎の写しではなく実自身の表情としてすでに安定している。」と評された。
〔 24.0cm(平成25年)(大崎市)〕 全国こけし祭り出品作 栄五郎型
その後も栄五郎の優品に挑戦することがあり、それぞれに実の作風による完成度高い作品を作っている。
〔右より 22.8cm、19.7cm(平成28年)(鈴木康郎)〕 右端は鹿間時夫旧蔵の復元
実は木地玩具も多く作るので、時に玩具の手法を取り入れたこけしも作る。下掲左端は俗に言う「朝鮮帽」をかぶり、胴に輪を入れた遊び心あふれる作品。童児の心に寄り添うような作品が実の持ち味である。
〔 右より 11.9cm(平成30年)(橋本正明)、21.2cm 輪入り(平成30年)( Itske Stern)〕
〔伝統〕弥治郎系新山系列 栄五郎家