今泉房雄

今泉房雄(いまいずみふさお:1942~2020)

系統:土湯系

師匠:今泉源治/大内一次

弟子:

〔人物〕 昭和17年11月26日、福島県土湯温泉の養蚕山林業今泉初治、サダの次男に生まれる。今泉源治は長兄。山根屋の渡辺作蔵の二女サイが今泉源蔵に嫁ぎ、初治を生んだので源治、房雄兄弟は作蔵の曾孫にあたる。福島市立土湯中学校を卒業し、家業の養蚕や山仕事を行った。昭和30年代後半には東京に出て数年働き、土湯に戻ってからは渡辺鉄男の兄英二の経営する建具屋でも働いた。昭和44年11月今泉正吉の娘ヒロ子と結婚、赤湯温泉好山荘の経営に携わった。昭和34年ごろから木地を学んだというが、今泉源治について本格的にこけし製作の修業を始めたのは、昭和42年頃からである。また、昭和45年から47年ころまでの冬季に岳の大内一次から指導も受けたという。
好山荘の経営の傍ら、冬期休業期に主にこけしを製作していたが、平成に入ってしばらくするとほとんど製作は中止していた。
令和2年6月20日没、行年数え年79歳。

〔作品〕 房雄のこけしが蒐集家の手に渡るようになったのは昭和40年代後半であり、昭和46年発行の〈こけし辞典〉では未だ取り上げられていない。昭和53年の〈ふくしまのこけし〉に写真紹介されている。戦後の大内一次の作風を継承したこけしから作り始めたが、今朝吉型と思われるこけしも製作したことがある。


〔右より 18.5cm(昭和47年)、18.2cm(昭和49年4月)(中根巌)〕一次型

〔21.5cm(昭和48年頃)(橋本正明)〕 今朝吉型
〔21.5cm(昭和48年頃)(橋本正明)〕 今朝吉型

〔伝統〕 土湯系湊屋系列

〔参考〕

  • 中根巌:今泉房雄さんご逝去〈木でこ・234号〉(令和3年3月)
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