熊谷仁奈

熊谷仁奈(くまがいにな:1964~)

系統:遠刈田系

師匠:小笠原義雄

弟子:

〔人物〕   昭和39年3月8日、茨城県日立市の会社員小笠原英雄、昌子の長女として生まれる。平成20年に子供を連れて遠刈田温泉に旅行した際、みやぎ蔵王こけし館で小椋久太郎のこけしを見て強烈な衝撃を受けた。平成21年4月土湯こけし絵付けコンクールで優秀賞、7月鳴子きぼこ絵付けコンクールで最優秀賞を受賞した。10月に青葉こけし会入会し、益々こけしに傾倒する様になった。平成22年2月に青葉こけし会のブログを立ち上げ、女性こけし愛好家(コケ女)の啓蒙活動に努めた。平成22年に、初めて小笠原義雄の工房を訪ね、茶筒・盆等の各種製品を見て、木地師としての仕事に心を打たれた。震災をはさみ飾らない人柄と卓越した木地技術にあこがれて、足しげく小笠原義雄の工房に通うようになった。平成24年2月より毎週工房を訪問していたが、1年後の平成25年2月ころ「やってみるか?」との誘いを受けたのが契機となって木地挽きを練習するようになり、まずは独楽を挽くことから始めた。
 平成26年5月全日本こけしコンクール2部に出品し、ひなこけしで白石商工会議所会頭賞を受賞(木地は師匠)。
作り付けこけしは、平成25年より製作を始めていたが、平成26年12月に初めて頭と胴を分けて挽くようになった。平成27年5月全日本こけしコンクール2部に自挽きダルマを出品。その後平成27年5月に自宅に轆轤を設置して地道に修業を続け、平成28年2月7日青葉こけし会で初頒布されこけし作者としてデビューした。
第3次こけしブームの蒐集家から工人に転じたケースとして、今後どのような成長を遂げるのか、楽しみである。鉋作りの鍛冶仕事も積極的に取り組んでいるとの事である。熊谷仁奈は、デザインと写真の仕事もしていて、青葉こけし会30周年記念冊子の編集に携わった。作品の依頼は当面師匠の小笠原義雄経由で受け付けている。

熊谷仁奈 平成28年2月6日
熊谷仁奈 平成28年2月6日   撮影:青野由美子

 木地を挽く熊谷仁奈 @2016年6月の自宅作業場 撮影:熊谷ひな
木地を挽く熊谷仁奈 @平成28年6月の自宅作業場 撮影:熊谷日菜

〔作品〕 もともとこけしの愛好家であったため、こけしの魅力をきちんと抑えた作品を作る。あこがれた小笠原義雄の作風を継承しているが、遠刈田の先人の型も研究している。
鉋製作から、木地、描彩にまで取り組んでおり、研究熱心であるから今後の作品の展開に期待が持てる。

〔右より 17.0cm (平成27年1月)、だるま 6.6cm (平成27年6月)(橋本正明)〕
〔右より 17.0cm (平成27年1月)、だるま 6.6cm (平成27年6月)(橋本正明)〕

〔右より 12.0cm 我妻信雄型、18.0cm、18.0cm、18.0cm 小笠原義雄型、13.0cm、13.5cm 朝倉英次型(平成28年2月)(中根巌)〕
〔右より 12.0cm、18.0cm、18.0cm、18.0cm、13.0cm、13.5cm 作り付け二種(平成28年2月)(中根巌)〕

系統〕  遠刈田系

〔参考〕  

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