奥山広志(おくやまひろし:1943~1999)
系統:山形系
師匠:奥山広三
弟子:
〔人物〕昭和18年10月7日、山形県西村山郡河北町(谷地)の奥山広三の長男に生まれる。昭和34年より父の広三について木地を学んだ。雑器や日用品、玩具などを作ったが、この時期こけしは作っていない。昭和36年より第一貨物株式会社関係の運送店に勤めるようになり、木地業から離れた。昭和47年再び木地業に戻り、こけしも同年8月より少しづつ作るようになった。本格的なこけし製作は、昭和50年頃からである。以後、河北町でこけしの製作を続けたが、平成11年12月11日に没した。行年57歳。
〔作品〕昭和47年復帰初期の作、および昭和54年の猫目の作例は〈山形のこけし〉に紹介されている。製作当初は同時期の父広三の作を忠実に倣っていることがわかる。また目じりの上がったいわゆる猫目と言われる表情のものも作っていた。
下掲は昭和55年の作例、父広三の最晩年の様式に従っている。
細身のバランスで、父広三譲りの山形の古い様式を伝える貴重な工人であったが、若くして亡くなったのは惜しまれる。
〔右より 18.0cm(平成2年)、18.5cm(平成5年)(橋本正明)〕
〔伝統〕 山形系
〔参考〕
- 露木昶:山形日記(二)〈こけし手帖・191〉(昭和52年2月)