野矢里志

野矢里志(のやさとし:1978~)

系統:土湯系

師匠:野矢俊文

弟子:

〔人物〕  昭和53年3月23日に会社員、野矢俊文、志津枝の次男として福島県耶麻郡猪苗代町川桁に生まれる。平成8年3月福島県立猪苗代高等学校卒業後、住宅関連の会社に就職する。平成25年10月より父の俊文に師事し木地修業を始め、2年後の平成27年11月よりこけしの製作を始めた。
父俊文は昭和49年より瀬谷重治に師事しこけしは昭和53年から製作したが寡作のため蒐集家の手に渡った作品は少ない。現在は中ノ沢こけしの研究家として、郡山のこけしと語ろう会と名古屋こけし会の会報等に文章を発表している。
 里志は平成19年3月に廣長香菜子と結婚。結婚を機にこけしに対する熱意が高くなった。香菜子の父廣長守彦は木工教室を営み、花器・壁掛け・テーブル・版画等を手掛けていて、その木工所に通ううちに、改めて木との係りに目覚めたという。
 また父俊文と中ノ沢こけしのイベント等について回るうちに益々「たこ坊主」への憧憬にとり付かれたようだ。〈木でこ・213号〉(名古屋こけし会発行・平成28年11月6日発行)にて野矢俊文が「野矢里志の紹介」として新人紹介文を寄せている。里志は住宅建設関連の会社に勤める傍らこけしを作っているので、量産はできない状況にある。こけしの注文は父俊文を通して受け付けている。

野矢里志  平成29年6月 撮影:中根巌

〔作品〕  里志の製作開始は平成27年からであるが、平成28年7月6日郡山の「こけしと語ろう会」で初頒布され、次いで平成28年11月6日の名古屋こけし会定期頒布、11月27日の大阪こけし教室特別頒布、12月11日の伊勢こけし会定期頒布などで次々紹介・頒布され、蒐集家の手に渡った。
瀬谷重治から父俊文を経て継承する「たこ坊主」のこけしを作る。岩本善吉の各種の型に挑戦しており、経歴が浅い中ではかなり完成度の高い作品を作る。


〔右より 9.1cm(平成28年3月)試作一号、18.2cm(平成28年11月)名古屋頒布、18.2cm(平成28年11月)大阪こけし教室頒布、16.5cm、25.2cm、24.2cm、15.2cm(平成28年12月)伊勢こけし会頒布(中根巌)〕


〔 12.3cm(平成29年1月)(橋本正明)〕


〔右より 9.7cm、9.9cm 擬宝珠こけし、7.3cm えじこ(平成29年6月)(橋本正明)〕


〔18.0cm(平成30年6月)(橋本正明)〕東京こけし友の会頒布

箕輪新一蔵の中ノ沢古作と思われる黒こけしを再現して、古風な善吉型を生み出した。令和3年11月の名古屋こけし会で頒布された。


〔左:箕輪新一蔵黒こけし、右:里志による再現(24.3㎝、18.4㎝)(令和3年)〕

系統〕 土湯系中ノ沢亜系
岩本善吉のタコ坊主の型を基本としてこけし製作を行っている。

〔参考〕

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