野地三起子(のぢみきこ:1957~)
系統:土湯系
師匠:野地忠男
弟子:
〔人物〕 昭和32年5月13日福島市の木地業野地忠男の長女に生まれる。結婚して佐藤姓となり、夫とともに学習塾を経営、英語を教えている。平成21年6月から父忠男に就いて木地描彩を学ぶ。平成22年3月から佐藤三起子名義で作品を発表するようになった。平成24年5月2日に父忠男が他界、その年の8月2日の月命日より、野地三起子名義でこけしを出すようになった。父が築いた「野地こけし」の名を守りたいという気持からであろう。
平成24年全国こけし祭り会場(〈伊勢こけしだより・140〉高井佐寿撮影)
〔作品〕父忠男の型を忠実に継承するところから出発し、当初から完成度の高い作品を発表した。もともとロマンドール(粘土で作る人形)の製作を行っていたこともあって、造形の感覚は優れたものを持っている。型の基本は湊屋の由吉であり、それをベースに近代的な瑞々しい感性で各種のバリエーションを生み出しているので人気も高い。
〔15.1cm(平成22年3月)初作
(〈木でこ・198〉で渡辺格により新作者として紹介された時のこけし)〕
下掲は初作からⅠヶ月後の4月作であるが、表情は落ち着いて由吉の面影を表現できるようになっている。
〔16.2cm(平成24年8月2日)(野地姓継承の作)、21.2cm(平成24年8月)
(名古屋こけし会9月例会頒布 )〕〈伊勢こけしだより・140〉に紹介されたもの
〔伝統〕 土湯系湊屋系列 佐久間浅之助-由吉-芳雄-渡辺和夫-野地忠男-三起子の系譜。