いたやかえで

こけしの用材としてみずきについでもっともよく使用される用材。学名:Acer Mono Max.
ムクロジ目ムクロジ科カエデ属(APG植物分類体系)の喬木落葉樹で、エンコウカエデ、タイシャクイタヤ、ウラジロイタヤ、アカイタヤ、エゾイタヤ、オニイタヤ、そして、イトマキイタヤなど亜種、変種がたくさんあり、それぞれに和名とその別名があるが、総称としていたやあるいはいたやかえでと呼ぶことが多い。こけしの産地では、さらに「うりはだかえで」「はうちわかえで」「こみねかえで」を全て俗称「いたや」と呼んでいるところもある。
また地域固有に、「おおはなのき(福島)」「しなばいたや(岩手)」「しろいたや(青森)」「はないたや(山形)」「まいたや(岩手)」「もみず(青森)」等の呼称が使われることもある。

いたやかえで

こけしに用いられる場合、木質はみずきに比べてはるかに硬質で、密度も高く重量感のある仕上がりになる。ただし乾燥が十分でないと割れが入りやすい。
みずきに比べると磨きが効くが、磨きすぎると中より樹脂が出て描彩時に色をはじく。割れやすいが、艶っぽく重量感があるので、こけし用材として好まれる。
スキー、バットなどの運動具や、ピアノ、ヴァイオリン等の楽器類にも使用される。

学名のAcerは「かえで科」で、メープルシロップを採取するAcer saccharumも同じ「かえで科」。「かえで科」は一般に樹液の多い樹木である。このように樹液の多い木には聖性があるとされ、同じように樹液の多いミズキとともにこけしに使われたという説がある。一方、樹液が多い木は用材としては利用が難しいので、一般用材にはあまり使われず、こけしや玩具に使われたともいう。

 

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