こけしの用材

こけしの用材としては、東北の山間部で入手しやすいものが選ばれるが、椀や盆、茶器など上物の木地製品に適したものは、もっぱらそうした製品に使われたので、むしろそれ以外のものが選ばれたと思われる。
こけしの用材として最も多くつかわれたのは、「みずき」や「いたや」であるが、何れも樹液が多く、乾燥が十分でないと歪みも出やすいので上物木地製品には使いにくい木であった。
こけしの用材として使われた主なものは次の通りである。
(以下については画像クリックで詳細の説明が表示される)

   

みずき

 

   

いたやかえで

 

 

うりはだかえで

 

 

 

あおはだ(びやべら)

 

 

じしゃのき(エゴノキ)

 

朴の木

 

 

その他に、「つばき」「さくら」「きり」などが使われる場合もある。 用材の美しさで見せるキナキナにおいては、昭和47年に煤孫実太郎が「びやべら」「たもん」「にがき」「みつめざくら」「えんじゅ」「くわ」「けやき」「なし」の八種によって作ったことがある。

〔参考〕

  • 佐藤友晴:蔵王東麓の木地業とこけし(未来社)(昭和36年10月)
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