佐藤一男(さとうかずお:1931~2006)
系統:土湯系
師匠:佐藤兵七
弟子:
〔人物〕昭和6年3月11日、福島県土湯温泉町下ノ町のアサヒ写真館佐藤兵七、サ生(さい)の長男に生まれた。祖父は佐藤嘉吉。学業終了後福島市内の写真館に弟子入りし、3年間住み込みで技術を習得した。その後、土湯の実家の写真業を継承した。昭和40年に父の兵七が自家の3階にロクロを据えて弟の佐志馬の指導を受けながら、こけしの製作を始めたので、一男もともに木地の練習を行うようになった。父の兵七は昭和44年5月3日に亡くなった。一男は主にこけしを作り、昭和45年ころまでに約200本ほど作ったという。父が亡くなったこともあり、本業の写真業が忙しくなったので、ロクロに向かう機会は少なくなった。そのうちにまたこけしを作ると語っていたが、平成18年4月5日に没した、行年76歳。
アサヒ写真館は子息の佐藤一弘が経営を継承している。
〔作品〕下掲は昭和40年の作り始めの作であるが、作為や癖のない初々しいこけしであった。
〔伝統〕土湯系
〔参考〕
- 中根巌:平成16年に訪問した異色工人〈木でこ・211〉(平成28年5月)
- 中根巌:珍しいこけし(二)〈伊勢こけし会だより・163〉(令和2年6月)