大沼新三郎

大沼新三郎(おおぬましんざぶろう:1893~)

系統:遠刈田系

師匠:佐藤久助

弟子:大沼孝一

明治26年5月25日、宮城県柴田郡川崎村字前川権現塚の農業大沼与四郎の長男に生まれた。弟には大沼由蔵がいる。明治40年15歳で青根へ移り、佐藤久助の弟子となって木地業を習得、19歳のとき
独立して遠刈田で木地業を開業した。このときには、玩具、こけしなどを作った。明治45年20歳で兵隊検査、現役で入隊し第一次大戦に従軍した。帰還後は青根の丹野旅館に入り戦後まで勤めた。昭和30年ころ遠刈田で木地業を再開、息子孝一とともに新型工場を経営した。息子孝一は鳴子の大沼孝一とは別人である。
吉郎平系列久吉家の工人は極めて少なく貴重な存在であり、こけし製作再開が期待されたが、その後事故で右手の指を失ったので残念ながらこけし製作再開は不可能になった。没年不明。作品は未確認である。
〈美と系譜〉図版115に作者不明の黒こけしがあり、所蔵していた川上克剛がそれを大沼新三郎に見せたところ、師の久助作と言ったという話がある。

 

 

 

[`evernote` not found]