色目

中屋惣舜(こけし蒐集家、〈こけし・美と系譜〉等の著者)が、こけし鑑賞においてポイントとすべき点を、五七五七七で次のように言った。

ます姿、表情、筆勢、胴模様、色目、保存ぞ、疵にかまうな

この中で色目(いろめ)は元来は、十二単などにおけるの組み合わせをいう。衣を表裏に重ねるもの、複数の衣を重ねるもの、経糸と緯糸の違いによるものなどがある。代表的なものは表裏に重ねるものでこれをとくに襲の色目(かさねのいろめ)という。
こけしにおいては、墨による面描に加えて、赤と緑の装飾(頭部の綛や手絡模様、胴の花模様、ロクロ模様等)が基本であるが、さらに黄、紫などを加える場合もある。その色の組み合わせの調和や落ち着きが大切で、それを色目と言った。

 

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