藤原元蔵

藤原元蔵(ふじわらもとぞう:1905~)

系統:独立系

師匠:

弟子:

明治38年1月18日、秋田県五城目で生まれた。大正末より昭和初年まで指物業に従事し、その間見取りで足踏みろくろの技術を習得した。五城目では大正初年町費で山田栄蔵が能代講習所へ派遣され、また大正11年頃には渡木地師の山田某(50歳から60歳くらい)が開業したが、需要が少なく短期間で廃業している。元蔵は指物業の傍ら、ロウソク立て、茶筒、擬宝珠などを挽き、後には動力ロクロをも使用したという。昭和12年の東京こけし會〈こけし作者一覧番付〉に「五城目 藤原元蔵」として紹介され、蒐集家の注意を引いたが、もともとこけし作者ではなく、地元小学生が絵付けをする図画教材に数十本木人形を挽いたにすぎない。


こけし番付に載った藤原元蔵(昭和12年)

従来不明工人であったが、川口貫一郎の依頼による田中舜二の調査報告が〈伊勢こけし誌・126〉に発表され、経歴を確認することができた。田中調査の数年前より木地業は廃業していた。昭和44年に田中が訪れた時点では秋田県南秋田郡五城目町字鵜ノ木4-3に生存していたが、その後の消息は不明である。

〔参考〕

  • 田中舜二:私信〈伊勢こけし・126〉(昭和44年11月)
    川口貫一郎の依頼を受けて行った田中舜二の調査報告が掲載された。


    〈伊勢こけし・126〉(昭和44年11月)

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