秋山清一

秋山清一(あきやませいいち:1915~)

系統:蔵王高湯系

師匠:岡崎斉

弟子:

〔人物〕 大正4年11月15日、山形県南村山郡堀田村大字高湯(現在の蔵王温泉)の木地業秋山慶一郎、ヱミの長男に生まれる。父慶一郎は秋山忠の弟で、宮城県涌谷の生まれ、鳴子で兄忠について木地を学んだ。大正4年には堀田高湯の能登屋の職人をしており、清一はここで生まれた。父慶一郎はその後も各地を転々として働いており、大正11年には母ヱミも亡くなったので、清一は叔父耕作、忠のいる鳴子に行って岡崎斉について木地を習った。
その後、父慶一郎の落ち着き先の山形県鶴岡に移り、昭和17年ころから23年頃まで木地を挽いた。このころに腹違いの弟一雄とともにこけしも製作している。
その後、転業して土工となり、砂防ダムの建設等に関わった。戦中戦後の一時期以降、こけしは作らなかった。没年没地は詳らかでない。
  

〔作品〕 製作年は昭和17~23年の一時期のみである。6寸前後の小寸が多い。一家で作っていたようで、「慶一郎」の署名が胴底にあるものもある。目じりの下がった面描に特徴があるので清一作は容易に識別できる。
また、この時期の清一作は鶴岡から各地に出荷して売られていたようで、青森とか飯坂とかの地名が、購入者によって記入されているものもある。


〔右より 12.0cm、18.0cm、18.5cm(昭和22年)(北村育夫)〕

下掲は小寸物で、黒頭の頭頂は珍しい。


〔8.0cm(昭和22年)(沼倉孝彦)〕


〔18.6cm(昭和22年)(高井佐寿)〕

下掲の6寸の胴底には、「飯坂温泉 秋山慶一郎 昭和23年8月4日」の記入がある。日付は購入年月日であろう。極端な目じりの下がり方が面白い。


〔18.5cm(昭和23年)(橋本正明)〕

  〔伝統〕 蔵王高湯系

〔参考〕

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