阿部利儀(あべとしのり:1927~1945)
系統:土湯系
師匠:阿部新次郎
弟子:
〔人物〕 昭和2年8月21日、 福島県信夫郡土湯村字下ノ町の木地業阿部新次郎・よりの二男に生まれる。長兄は一郎。昭和17年16歳より父新次郎について木地を習得、こけしや玩具を製作した。製作期間は昭和17年から昭和19年5月までである。昭和19年5月に徴用に応じ、東京板橋の木型工場で飛行機などの部品木型を製作した。
昭和20年工場の爆撃にあって負傷、入院したが昭和20年8月2日に没した。行年19歳。
〔作品〕 昭和18年11月川口貫一郎主宰の東京こけし会機関紙〈こけし・29〉で新作者として紹介された。しかし製作期間が短かったため、残る作品の数は少ない。現存のものとしては下掲の名和旧蔵のように作り付け小寸が多いという。
〔15.8cm(昭和18年)(西田記念館)〕 名和コレクション
下掲の写真は鹿間時夫旧蔵の5寸7分であるが、応徴直前の昭和19年2月の作、父新次郎の作風を継承したこけしであったことが分る。
〔系統〕 土湯系松屋系列。