阿部陽子(あべようこ:1932~2021)
系統:木地山系
師匠:阿部平四郎
弟子:
〔人物〕 昭和7年4月3日に生まれる。公務員菅亀之助の養女となる。昭和34年川連の阿部平四郎と結婚。木の実、たくみ(琢美)の一女一男をもうけた。昭和35年11月21日より夫平四郎の木地にこけしの描彩を始めた。昭和40年代になってから木地も自分で挽くようになった。娘の木の実も昭和61年よりこけし工人として作品を作っている。
令和元年鳴子の第65回全国こけし祭りコンクールで厚生労働大臣賞を受賞した。
令和3年2月10日没、行年数え年90歳。
阿部陽子 平成11年9月 鳴子全国こけし祭り会場
全国こけし祭りコンクール受賞式 厚生労働大臣賞を受賞 令和元年9月
〔作品〕 当初は平四郎の本人型を中心に描彩をしていたが、昭和44年1月から小椋泰一郎型も作るようになった。下掲中央の泰一郎型はその初作であるが、初作からかなり完成度の高い作品であった。平四郎、娘木の実と同様に、泰一郎型のほか、小椋米吉型、小椋石蔵型、柴田鉄蔵型等を作った。
〔右より 18.5cm(昭和43年)平四郎本人型、 18.1cm(昭和44年1月)泰一郎型初作、18.4cm(平成25年4月)(橋本正明)〕
晩年は全く邪気の無い、あどけないこけしを淡々と作っていた。
一方で、下掲の作品のように、最後まで新しい意匠のこけしを追求するなど創作意欲は衰えなかった。
〔伝統〕 木地山系