阿保金光

阿保金光(あぼかねみつ:1952~2015)

系統:津軽系

師匠:安保六知秀

弟子:

〔人物〕  昭和27年7月25日、黒石市花巻の大工阿保惣作の二男として生まれる。阿保六知秀は長兄である。 黒石市東英中学時代は生徒会長を務め、こけしクラブの部長をした。中学2年でこけしの顔を描彩した。 中学には5台のロクロがあり、早く行かないと使うことができなかった。こけしは部員が自主的に見取りで作り、たまに佐藤善二の弟子で東英中学出身の小島俊幸が来てカンナを直した。  なお、阿保六知秀の家に金光がこけしクラブで作ったこけしがあり、これは二人の母の遺品から出てきたというもので箱に入っており描彩も残っている。

東英中学こけしクラブ時代のこけし

東英中学こけしクラブ時代のこけし

六知秀の話では、こけしクラブでも金光が最もこけし製作が上手かったという。二人の他にこのクラブからこけし工人は出ていない。
もとは父と同じく大工をしていたが31(または32)歳の時、建築現場の事故で足に怪我を負ったのをきっかけに兄阿保六知秀の誘いを受け、こけし製作の手伝いを始める。昭和61年より金光名義のこけしを世に出すようになった。
平成15年まで六知秀の工房で職人として働いていた。黒石市北見町の住居と増築した工房は、自ら建てたものだという。晩年は、津軽こけし館の実演工人を主に務めていた。
平成27年10月23日没、行年64歳。

阿保金光 平成24年 撮影:さとうえりこ

阿保金光 平成24年 撮影:さとうえりこ

阿保金光

阿保金光(平成26年5月20日)

阿保金光

阿保金光(平成26年5月21日・津軽こけし館)

〔作品〕  兄・六知秀を通じて佐藤善二を継承した温湯こけしを作っている。
ユーモラスであったり泣き出しそうであったりバラつきのあるこけし作りが、かえって自然な素朴さを感じさせる。
コンクールにも本人型のこけしを出品していた。先人の戦前作を継承することが、伝統こけし工人の一つの目安となっている現今のこけし界では、ユニークな存在であった。表情豊かなこけしと親しみやすいキャラクターで若いファンを中心に人気が高かった。

阿保金光

〔25.0cm(平成24年)(山藤)〕

阿保金光

〔左より24.5cm、18cm、12.5cm(平成26年)(山藤)〕

〔伝統〕  津軽系温湯亜系

〔参考〕

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