安藤未黎(あんどうみれい:1907~1966)
系統:土湯系
師匠:
弟子:加藤保明/佐藤定朗
〔人物〕明治40年4月8日、福島市に生まれた。肖像画家。福島市吾妻町八島田で新型こけしの描彩をおこなった。昭和30年代に入ってから「見とり」で伝続こけしに似たものを製作するようになった。描彩のみで木地は別人。胴のあやめ模様は鯖湖の渡辺喜平のこけしの影響かとする人もいるが、喜平との関係はおそらくなかったであろう。晩年に福島市加賀屋敷の加藤保明にこけしの指導を行った。
伝統性は稀薄である。昭和41年4月14日没、行年60歳。
〔作品〕下掲は54歳と記入があり、昭和35年の作。作り始めてからそれほど時を経ていない時期の作品である。初期はあやめではなくこのような椿様の胴模様も描いた。伝統風とは言え、目じりは下がって新型の面描の影響が残ってように見える。
昭和36年以降なくなるまでの期間は、下掲のようにかせを大きく鬢飾りのように描く様式に変わった。未黎の作品としてはあやめ模様のこの様式のこけしが一般的である。
〔伝統〕〈こけし辞典〉では「しいていえば土湯系鯖湖亜系」とされているが、土湯一般型というべき性格のものであろう。
加藤保明が安藤未黎の様式を継承した。
〔参考〕