大森久一(おおもりきゅういち:1932~2015)
系統:遠刈田系
師匠:小野幸三郎/佐藤哲郎
弟子:大森久幸
〔人物〕 昭和7年11月30日、土木業大森久三郎長男として、白石市に生まる。昭和22年尋常高等小学校を卒業後、山仕事や農業の手伝いをしたが、地元には仕事が少ないので、昭和28年小野幸三郎商店に入り、木地挽きの修業を始めた。木地業を志したのは、山仕事や農業と違って、雨や風といった天候に左右されない仕事と考えたからである。昭和34年独立して、新型の下挽きに従事した。昭和35年長男久幸誕生。昭和39年より伝続こけしの魅力に魅かれ、また伝統こけしのブームも到来したので、佐藤哲郎につき、伝続こけしの描彩の手ほどきを受けた。その後、遠刈田温泉字遠刈田北山の自宅にロクロを設置して営業を続けた。長男久幸に木地を指導した。
平成27年12月15日没、行年84歳。
〔作品〕 佐藤哲郎に習って伝統こけしの製作を始めたが、初期の頃はまだ新型の影響が残るような甘く繊細な作風であった。昭和末年から平成にかけて、吉郎平系列の剛直かつ硬質な気風を表現するようになり、作品の完成度も上がった。佐藤吉弥、哲郎の作風をしっかり継承した。
〔系統〕 遠刈田系吉郎平系列