佐藤孝之助

佐藤孝之助(さとうこうのすけ:1898~1942)

系統:遠刈田系

師匠:佐藤茂吉

弟子:及川吉郎

〔人物〕明治31年11月3日、宮城県刈田郡遠刈田の木地業佐藤茂吉、とねの次男に生まれる。母のとねは佐藤文吉の長女で、父の茂吉は吉郎平家から養子に入った。佐藤円吉は長兄。
12、3歳ころより父茂吉について木地修業を始めた。大正6年に山形県南村山郡村木沢村村木沢の大山きちと結婚し、遠刈田で木地挽きに従事した。
昭和7年35歳の時に分家し、仙台市支倉町11で独立した。福々商会に入って職人を務めたが、昭和8年に商工省工芸指導所に移り、亡くなるまで指導所の木地指導員を続けた。種々の工芸品、漆製品、竹細工、こけし等の製作を指導した。こけしは昭和14年に桜井玩具店より頒布したごく少数の作品のみが残っている。
昭和17年10月没(没年日不明)。行年45歳。一人息子がいたがその消息は不明である。及川吉郎は工芸指導所時代の弟子である。

〔作品〕昭和14年に桜井玩具店で頒布したこけしは、切れ長の三ヶ月目が涼しげで、爽やかな気品に富んだ作であった。兄円吉よりも筆は伸びていた。胴は比較的細長く頭はやや角張っている。樹書体の丁寧な作風だった。
製作期間は限られており、残る作品数は少ない。若い頃の茂吉作を思い浮かべる時の一つの基準になる。


〔24.2cm(昭和14年)(西田記念館)〕 西田コレクション


〔17.5cm(昭和14年)(国府田恵一)〕

〔伝統〕遠刈田系吉郎平系列茂吉家

〔参考〕

[`evernote` not found]