稲田瑛乃(いなだあきの:1985~)
系統:津軽系
師匠:五十嵐嘉行
弟子:
〔人物〕昭和60年10月11日、兵庫県神戸市に生まれる。森林に興味を持って山形大学農学部に学び、平成22年3月に卒業した。卒業後、工房げるぐどを立ち上げた。わくわくをつくる工房として子どもたちに木工や地域の木材、森林に関心を持ってもらうワークショップを開催するほか、看板製作や、自然材料でのもの作り、イラストやチラシ製作のデザイン業など、創作活動を行っている。
平成22年4月から赤川漁業協同組合勤務、平成24年年7月から平成27年3月まで鶴岡食文化創造都市推進協議会で立ち上げた鶴岡食文化産業創造センター事務局に勤務した。
雇用期間終了後、本格的に工房での活動に取り組むようになった。
こけし製作も、同時期に開始する。こけし製作は、大学で訪れた山形県鶴岡市で、偶然五十嵐嘉行とあったことがきっかけとなった。それまで木工には取り組んでいたが、こけし自体にはほとんど関心はなかった。一番弟子の橋本恒平と共通の知人の紹介で訪れた五十嵐嘉行と話しを続けるうちに、「木地作りを学びに通ってもよい」と許可が出たので、平成27年4月から五十嵐のもとに通うようになった。こけしの製作は平成28年4月からである。
平成28年7月の〈こけし山河・279〉で兄弟子橋本恒平が紹介されたときに、稲田瑛乃の名前も紹介された。平成29年2月の東京こけし友の会例会で頒布され、同年9月の例会でも二回目の頒布がおこなわれて新人工人としてデビューした。
平成30年、結婚を機に北海道小樽市に移住した。その後、津軽こけし館の協力によりコンパクトなサイズのこけしろくろを入手し、小樽の自宅で製作を再開した。
その後、二人の男の子を授かり、子育てをしながらこけしの製作を続けている。
大鰐の様々な古品を研究しながら、稲田のスタイルの堅実な確立が望まれる。
〔伝統〕津軽系大鰐亜系
〔参考〕
- ナリワイ女性インタビュー(前編)
- ナリワイ女性インタビュー(後編)