五十嵐嘉行(いがらしよしゆき:1927~2023)
系統:津軽系
師匠:間宮正男
弟子:橋本恒平,稲田瑛乃
〔人物〕 昭和2年6月1日、鶴岡市本町二丁目の石材業、五十嵐嘉吉の長男として生まれる。昭和27年鶴岡市内の木地師伊藤佐太郎より木地挽きを習い、茶道具等の木地玩具を丸金商店をはじめ地元の民芸店で売り出す。昭和59年実弟の嘉道(平成21年4月30日没)と共に考案した創作の「新鶴岡こけし」を発表、同時期より仙台在住の蒐集家佐藤茂や山形こけし会会長の小林清次郎の勧めがあり、青森県大鰐温泉のこけし工人間宮正男につき弟子入りし描彩を習う。津軽系の作品は昭和62年9月に間宮正男より許可を得て作るようになった。さらに間宮家のこけしの他に竹野銀次郎型と羽黒山等で売られている創作の「山伏こけし」を製作した。
橋本恒平、稲田瑛乃が弟子として入門、間宮の型を継承した。
令和5年10月6日に亡くなった。行年97歳。
〔作品〕 「新鶴岡こけし」は創作であるにもかかわらず酒田の白畑与太郎風の形態に桜花を胴模様に施したものであり、かぎりなく伝統に近いものであった。間宮正男の許可を得てからは、明太郎型・正男型をメインに作るようになった。下掲は初期の明太郎型で、原物を見ての製作。
竹野銀次郎型も遺族の許可のもと少数製作している。
〔伝統〕 津軽系大鰐亜系 ( ロクロの形体は竪方式であり、描彩のみ津軽系といえる。)
弟子橋本恒平、稲田瑛乃が大鰐の伝統を継承するこけしを作っている。
〔参考〕
- 五十嵐嘉行工人訪問|My favorite things 3 – アメーバブログ
- 五十嵐嘉行 : こけしのなかのわたし – livedoor Blog
- 阿房こけし洞 017: 五十嵐嘉行 ①
- 第35話 行き倒れの白眼