佐藤裕介

佐藤裕介(さとうゆうすけ:1982~)

系統:弥治郎系

師匠:佐藤誠孝

弟子:

〔人物〕  昭和57年4月6日、木地業佐藤誠孝、美喜子の二男として福島県いわき市に生まれる。兄は佐藤英之である。若いころより絵画に興味を持ち、高校卒業後は絵画関係の専門学校に進んだ。「夏井裕」の雅号で作品を発表、絵画の活動は現在も行っている。
平成21年10月12日より父・誠孝について木地修業を開始、平成22年4月4日よりこけしを製作する。同年5月には弥治郎系工人会総会で弥治郎系こけし作者として承認された。
平成23年の東日本大震災では被災し、一家は約一年群馬に移転して木地を挽いたが、平成24年の4月に平(福島県いわき市平塩字徳房内)に戻り、「木地処さとう」の営業を再開した。 両親の佐藤誠孝 佐藤美喜子とともに「木地処さとう」において、こけしを製作している。


佐藤裕介 平成30年正月 弥治郎初挽き式にて 撮影:佐藤 健兒朗


佐藤裕介 平成30年 撮影:佐藤 健兒朗

〔作品〕  祖父の誠は小倉嘉三郎の弟子で、弟弟子であった大野栄治に木地の指導も行った。その関係で嘉三郎、嘉三郎の弟精助、誠、大野栄治等の型を中心に製作する。下に掲載した3本は正式に裕介名義で世に出た初作で、伊勢こけし会で頒布されたもの。絵画の専門的教育を受けただけあって、初作当時から誠の型、栄治の型として既に高い水準に達していた。

〔9.1cm、15.2cm、9.1cm(平成22年5月)(伊勢こけし会頒布)〕
〔9.1cm、15.2cm、9.1cm(平成22年5月)(伊勢こけし会頒布)〕

後に、誠のこけしをアレンジした、胴にグラデーションのある独自のこけしも発案・製作している。
絵画的な構成力や表現力を身に付けており、また非常に繊細な描彩力にも特長があって、それは誠型・栄治型で遺憾なく発揮されている。作るにつれ力強さも出て完成度も増しており、今後の活躍が望まれる若手工人の一人である。

佐藤裕介・大野栄治型
〔24cm(平成26年2月)(山藤輝之)〕大野栄治型

下掲は高橋静助の昭和14年作の復元である。


〔 18.9cm(平成28年8月)(橋本正明)〕 高橋精助型

〔伝統〕  弥治郎系嘉吉系列

〔参考〕

木地処さとう
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