篠木利夫

篠木利夫(しのきとしお:1931~2017)

系統:土湯系

師匠:佐藤佐志馬

弟子:玉根四郎/梅津正永/渡辺義雄/芹沢祥治/冨田喜夫/佐藤翁龍/太田孝淳

〔人物〕昭和6年9月3日、福島県飯坂町平野字原田の農業篠木貞一・トラの二男に生まれる。昭和21年平野小学校高等科卒業、その後信夫高湯温泉で食堂を経営していたが、昭和43年4月より7月まで、土湯の佐藤佐志馬について木地を修業した。それ以来、独自の旧型こけしを暗中模索して作り、玉根四郎、梅津正永、渡辺義雄、芹沢洋治、冨田喜夫、佐藤翁龍、太田孝淳などの多くの弟子も養成した。食堂は福島市大森で開業していたことがあり、その食堂の裏に設置した轆轤でもこけしを作った。
平成29年7月27日没、行年87歳。


篠木利夫

〔作品〕鹿間時夫は〈こけし辞典〉で暗中模索時代の篠木利夫の様子を次のように紹介した。「初めは新型風の創作の域を出なかったので昭和43年練習のため鹿間が佐久間七郎を手本とさせたが、成功といえなかった。」下掲はその頃の作で湊屋の七郎や米吉などをもとに試行錯誤を続けた。


〔25.1cm(昭和43年)(国府田恵一)〕

鹿間時夫はさらに「昭和45年の作風は一転して三日月目や小幡福松風の目に佐志馬風の前髪を描き、ロクロ線も白い余白を生かし中央を紫でしめる等工夫と進歩の著しいものがある。表情は甘美である。この工人も今後相当変化するのでないかと思われる。」と書いている。
下掲は、鹿間時夫が「ロクロ線も白い余白を生かし中央を紫でしめる等工夫と進歩の著しいものがある」と評したころの作。


〔30.6cm(昭和44年)(高井佐寿)〕

 〔伝統〕土湯系

〔参考〕

  • 中根巌:篠木利夫〈伊勢こけし会だより・163〉(令和2年6月)

 

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