渋谷安治(しぶややすじ:1940~)
系統:鳴子系
師匠:佐藤俊雄
弟子:
〔人物〕昭和15年4月16日生。昭和31年より宮城県鳴子温泉の及川正夫商店の職人となり、佐藤俊雄の指導により木地を修得した。こけし作りは見取り学問である。昭和33年11月発行の〈こけしガイド〉の初版で写真紹介された。昭和36年ころ及川商店を退職、神奈川県小田原に転じた。
その後の経歴については不詳である。
〔作品〕及川工場で育った若手工人の一人として、こけし作りは見取りで修得したため、こけしはいわゆる鳴子共通型を作った。しかし、画一的な共通型の様式ではあったが、安治のこけしはそのころの若手工人にはめずらしく、機械的な描彩ではなく、甘みの少ない古雅な表情をもつこけしであった。一部の収集家からは注目されていたが、まもなく転業した。
当時から作品は多くなく、現在では珍しいこけしになっている。
〔伝統〕鳴子系 鳴子共通型
〔参考〕