米坂楓(よねさかかえで:1995~)
系統:津軽系
師匠:阿保六知秀
弟子:
〔人物〕平成7年12月15日、青森県黒石市境松町の米坂昌二、恵子の間の二人姉弟の長女に生まれた。平成26年3月に黒石商業高校情報デザイン学科卒業、神奈川県の企業に就職するが体調を崩して6月に帰郷した。その後黒石市内の会社に就職するが12月に父親が倒れ看病のために退職した。
高校時代に津軽こけし館でこけしを見て感激した事と、母親が阿保六知秀と旧知の仲であり、若手工人が皆無と言う状況を聞いたので、平成27年4月1日より入門することになった。阿保六知秀の三番目の弟子であるが、身内以外では初めての弟子となった。
六知秀は自宅と黒石市街の上町に工房を構えているが、楓は上町の工房「木楽」で火曜日から土曜日まで週に5日修業を続けた。入門翌月の5月には初作こけしも工夫して作った。阿保師匠の厳しい指導のもと9月には鍛冶の工程も一応習得した。入門1年後の3月31日には「陸奥新報」「津軽新報」「東奥日報」の3社の新聞に弟子入り1年とカラー写真入りで大きく取り上げられた。この頃にはこけし形のようじ入れやストラップを製作して一部は販売もしていた。
最近のこけし界では週一度や月2回程度の通い弟子も多いが、阿保師匠の方針でほぼ毎日の修業であった。
平成28年7月には阿保六知秀型のこけしを、9月には山谷型復元こけしを製作してセンスの良さを発揮した。9月24日付けの東奥日報では「個人名ではまだ出していないが、ストラップや爪楊枝入れ、ミニこけしなどの小物を中心に作っている。3年間は阿保師匠からマンツーマンで指導を受けるが、その後は工場を自宅に移す予定。いまは基礎をしっかりと身に付けている最中」とインタビューに答えていたが、11月に事情があり師弟関係を解消した。
その後轆轤を自宅に据えて創作こけしを津軽伝承工芸館で1年程販売した。
平成30年7月に結婚,、森川姓となった。現在は関東在住のため、こけし活動は中止している。再開される日の来ることを期待したい。
〔作品〕師匠であった阿保六知秀の型、山谷権三郎、山谷藤吉の型をある程度のレベルまで表現できるようになっていた。
〔右より 12.9㎝(平成27年5月)初作、18.5㎝(平成28年7月)阿保型、18.5㎝(平成28年7月)阿保型、25㎝(平成28年9月)藤吉型、9.4㎝(平成28年9月)権三郎型(中根巌)〕
〔伝統〕津軽系温湯亜系。
〔参考〕