加藤昭子(かとうしょうこ:1942~)
系統:独立系
師匠:小塚錠一
弟子:
〔人物〕昭和17年2月16日、岩手県盛岡市松尾町で生まれた。昭和39年11月23日に結婚。海谷吉右衛門型を継承していた小塚錠一は、木地作業が年齢的に辛くなり、昭和62年頃より遠刈田の大宮正男に木地を依頼するようになった。吉右衛門型を絶やしたくないという思いから後継者について模索していたが、男性でこの仕事を継いでくれる人は見つからず、近くで知り合いの昭子に、せめて描彩だけでも継いで欲しいと要請した。そこで昭和62年頃から昭子が描彩を試みるようになった。
昭和63年に昭子は仙台より宮城郡利府町へ移住し、小塚も平成2年に利府町に転居した。この地で両名は吉右衛門型の描彩を継続したが、木地は大宮正男である。
平成4年5月、白石市の「第34回全日本こけしコンクール」に出品。出品者名簿(追加分)で初めて氏名が紹介された。名簿には小塚の住所で出品されている。出品以前に、市販はしていないという。
〔作品〕加藤昭子が、描いたのは平成4年の4月から6月までで、師匠経由で5本だけ蒐集家に渡ったという(令和2年11月本人に確認)。当時描いた作品は残していたが、東日本大震災の折に破損して処分したとの事であった。昭子のこけしはいづれのこけし会においても頒布はされていない。
〔右より 24.3cm(平成4年)、18.2cm(平成4年)(中根巌)〕吉右衛門型
〔系統〕独立系。仙台一般型。昭子が継承した海谷吉右衛門は木地の系譜から遠刈田系に分類される場合が多いが、こけしの様式としては必ずしも遠刈田の特徴が顕著ではなく、独立系とされる。
〔参考〕
- 矢田正生:〈木でこ・136〉(名古屋こけし会)(平成4年7月)
- 中根巌:小塚錠一・加藤昭子・星としえのこと〈木でこ・233〉(令和3年1月)