木賊

木賊(トクサ)は、木工品の最終仕上げのために用いられるシダ植物門トクサ科トクサ属の植物(学名:Equisetum hyemale)。

木賊

日本では北海道から本州中部にかけての山間の湿地に自生するが、観賞用などの目的で栽培されることもある。表皮細胞の細胞壁にプラントオパールと呼ばれるケイ酸が蓄積して硬化し、砥石に似て茎でものを研ぐことができる。茎を煮て乾燥したものが研磨の用途に用いられた。
現在では安価で手に入りやすくなった紙やすりが一般的に使われるようになったが、高級つげぐしの歯や、高級木製品の仕上げ工程などには現在も木賊が使用されている。こけしにおいても、紙やすりが広く使われるようになったが、仕上げの過程に現在でも木賊を用いたり、紙やすりと木賊を併用する工人もいる。

木賊による仕上げ

鳴子の大沼秀顕は、高祖父の岩太郎(父秀雄の曽祖父)のこけしを再現するにあたって、当時の木肌を再現するため、紙やすりを使用せず、木賊のみで仕上げを行った。

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